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一品一品とか形状変更とか簡単に言う。 TX650 スポンジ素人加工 その1
facebookでちょっと載せたら興味のある人も居るらしく、 『作業工程見たい!』 ってな話もありました。
少しこっちで紹介しておこうかな。
依頼主は良く知る奴だし言うこと言っても問題ない間柄なんで好きに書きます。
何年かに一回はあるある縁故絡みの仕事てことで。
最初に断っておきますが、本来この手の加工は一切受けておらず普段全て断っています。
なので、 『オレも!』 とか言われてもやりません。
実際やって懲り懲りです。
断りゃ良かった。
普段、同様の一品製作とかの依頼が多々あるんで参考にしてもらえたら是幸いです。
皆さんワンオフワンオフ簡単に言いますが、程度問題あるにせよ、人一人 (場合によっては複数人) の拘束時間全て請求額に直結することを知って欲しい。
そして、プラス製品代。
自分の物は、コストにしても何でも好きにコントロール出来るからやりますが。
(身を削ってやっている。)
折角の機会だから、普段思っていることも書いてみよう。
そんな感じで今回は辛口です。
ということで、
春先に届いたこのシート。
ヤマハTX650のリプレース品。
このまま使えば良いのにスポンジが柔くてイヤなんだって。
うちのシートを何個も使っているヤツなのでうちのスポンジが良い! というわがまま。
成り行きでも受けてしまった物は仕方が無いので現状把握。
何処まで再現されているリプロか分かりませんが、一先ず型の中で発砲させたインジェクションスポンジです。
このまま使えば良いのにねー。
まー、確かに少し柔らかめか。
今回はスポンジだけなんで無視。
スポンジ外周には塩ビ系のビニール被せてあるも、裾にモールの穴。
当然浸水。
そこへ刺さっていたモールのボルトは当然錆びる。
無視。
…。
タンデムベルトのボルトくらいは交換してやらないでも無くもないか。
余計な仕事は増やさない方向で。
まっ、これは仕事じゃないか。
何しろこれは縁故なイレギュラーで本来の仕事じゃないんでね。
何度も言うけど弊社シートの加工屋じゃなくてメーカー。
だから製造工程全く違うんですよ。
同じ製造業で扱う品目が同じってだけで異業種って感じですかね。
ちょっと分かり難いとかも知れませんが。
異業種と言うだけあって、スポンジ加工なんて普段やりません。
まー、スポンジの扱いや特性は多少心得てはいますが。
スポンジの加工作業は素人に毛が生えた程度だと考えて、参考になる部分は勝手に参考にして下さい。
これが本業のプロなら、もっと良い方法知ってるかもしれませんね。
しかし、スポンジ云々より対象のバイクで走った事が無いってのが大問題。
いつも言ってますがスポンジも大切ですがシートってそれだけじゃないんです。
先ずしっかりとした取り付け方法のシートベースありきで、そこから座面の高さ (着座位置) や傾斜、幅とか形状があってそこから良いスポンジがって話です。
上記全てバランス良く揃って普通のシート。
それを判断というか作り上げるにはそのバイクがどういう事になっているのかちゃんと確認しなくちゃいけない。
それが、シート単体渡されて 『形状そのままスポンジ良いのに交換お願いします!』 で良いシートなんて出来る訳がない。
そんな簡単だったらこの製作記ももっとサクサク進んでいるでしょう。
まー、良いシートって人によって基準も違います。
自分とは違って見た目優先! って人も居ますしね。
もちろん、そういう人をどうこう言うつもりもありません。
自分だって見た目を無視した事なんてありませんし、いつも天秤に掛けて悩むのはそこですから。
最終的には実用性にウエイト載せますが。
兎に角、エスパーじゃないんだから走ったことも無いバイクのシートなんか作れない。
今まで口を酸っぱく言ってきてソレを知っている奴が今回の依頼主と言うね。
こうなる事を考えていたのなら、 この前乗って来たとき試乗しておいてくれって頼んでおくべきだったんじゃないかー?
この画像から推測するしかないんだけど、車体を起こしても少し前傾斜付いてるのかもね。
尻痛いのはそれもあるかもよ。
自ら走っていないから分からない。
で、実作業。
スポンジへの浸水あったんでタオルで吸い出し乾燥室に1週間放置して外出してまた1ヶ月くらいかな?
放置。
まー、やりたくないんでどうも動けない。
まずセンター出し。
上面はある程度の寸法出しで分割。
サイドはレーザーでやると楽。
まー、隅だしはハンドですが。
次はサイドのライン。
今回は、以前 XT500でもやったことのある方法を取ります。
凸凹なシートベースのなりにスポンジを合わせるのは大変です。
シートベースと合わないスポンジをポコッと載せて、上 (表面) だけそれなり均すのは簡単です。
ちゃんとやるとこれも簡単じゃないんだけどね。
仕事でなくともそういう作業はしたくないのでやりません。
スポンジサイドと下部はそのまま使い、実用域のスポンジをどうにかしようと。
まー、この方法もだいぶ端折りなんだが。
寸法確認。
どうだったけか? とならないよう必要になりそうだったら採寸が吉。
やっちまったー! の前にもね。
削るの簡単足すの大変。
アナログな記録。
まー、大体でイイかな。
一枚物に変換しておく。
しかし、残してやるにしても不細工な。
弊社の普通。
一般 (車両メーカー) 的にはこれが普通。
経年でスポンジは引けるからね。
シートベースと密着度が違うからここから変わらない。
経年でもうちょっと黄色くなる。
横方向はこんな感じで。
縦方向も取りますよ。
意外に思うかもしれませんが、厚紙だってペーパー当てれば仕上げられます。
縦は距離あるんで補強材入りの平板 (FRP) を切り出しましょう。
各部の基準を作っておくと後々困りません。
まー、使わなかったらそれはそれで困りませんから。
とりあえずゲージがデケタ。
何だか回りくどい事やってますが、形状合わせを後からやるのは時間も掛かるし確実性にも欠けます。
最初に型取っておいた方が良いだろうと。
こういう考え方するのは普段やっている作業の流れからですかね。
兎に角、何にしても1発で決めたい!
スポンジ削り過ぎのやり直しは絶対に嫌!
あっという間にやっているように見えますが、どうやってやるかの時間は目に見えないから。
こういうのって位置出し位置決めが一番時間掛かるのよねー。
作り物あるある。
その2 に続くよ。