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YAMAHA TX650 スポンジ素人加工 その3
最後も言っておきますが、この手のスポンジ加工や一品製作に関しては一切お受けしておりませんのであしからず。
まともに時間で請求出来るならやらなくも無いかなー。
なんてね。
今回の作業でも2日掛かってます。
それなりの請求です。
それで然程良くならないってんだから費用対効果で考えたら銭失いだと思います。
かと言って、型起こしてって考えたら膨大な請求額になりますし。
原型からで付きっ切り3ヶ月は掛かるかなー。
それでもやりますか?
業者が量産したいってならまだしも、個人が一品でやらないですよね? 普通。
まー、世には個人一品でそれをやるという特殊な世界に住む人もおりますが。
ということで、
その2 からの続き。
まずは養生。
こっちも。
で、77が無くてムカー。
どっかに頼むかと思うも作業途中で止めるのも嫌。
と言うか、とっとと戻して (終わらせて) 仕事したい。
ホームセンターへ。
こっちと
こっち両方に塗布。
もう糊付けしちゃう時点でダメ。
スポンジって上下以外横方向へも動くんですよ。
糊面は硬くなるんで動かなくなる。
積層が良くないって言っている一つがそれ。
それ知りつつやる。
空しい…。
まー、77はそれでも動き妨げない方なんだけど。
というか、これ恒久的には付かないし。
でも止む無し。
無垢で型から抜いたスポンジがベスト。
とか言っていると、 福利厚生号 のように原型作って型起こす羽目になる。
一品でこれ以上無い製法。
贅を尽くした一品。
張り合わせはちょー大変。
大変と言っても一瞬。
手間隙掛かるということ以外にも大変が沢山で嫌んなるねー。
ゲージ当てて縦方向のケガきを入れる。
こんな感じで。
ギコギコ。
荒削り。
スポンジを削る際のコツというか鉄則。
もう少しかなと思ったときはまだ仕上がりラインの手前。
欲張らずにそう感じた時点で都度作業を止めゲージやら何やらで現状と追加工の度合いを必ず確認すること。
現車があるなら装着確認がベスト。
無垢のスポンジを削って行くのは大変だけど、実は足すのが一番大変 (無理) なのだということを肝に銘ず。
弊社で作るスポンジは、型の中で発泡させるので、型の中で物凄い圧が掛かり表面には必ずスキン層と呼ばれる部分があります。
(スキン層のあるなしは原材料の特性もありますが。)
一見人肌のきめ細やかなのでスキン。
そのスキン層は表側のほんの数mmの所にしかありません。
粒の大きさが表と中で違うんです。
コイツが物凄い役目を果たしてるんですね。
詳しくは ココ 読んで下さい。
食パンの耳みたいな感じですか。
で、そのパンの耳 (スキン層) を削るといきなり腰が無くなります。
何となく分かり易いでしょ?
そこ削って良い物なんか出来やしないって分かってるんですが、今回ソレをするという。
しかし、こんだけやって納得出来る物には遠く及ばないと思うと全く食指が動かない。
ちなみに、今回使用するスポンジは、削って腰が無くなることを想定して物凄い圧掛けて硬いのを用意しています。
当人の目方もあるし硬めが好みで座っちゃう乗り方もある程度把握しているので。
あとは削ってどの程度になるか。
まー、ダメだろう。
最初は幾らか良くても時期経たる。
まずは座面センター (頂点) 決めから。
厚み18mmのコンパネ幅50cm表面だけ線一本だけ引いて、ベルトサンダー手勘で定盤の上隙間無く垂直に立てられればスポンジも訳無く削れるでしょう。
出来る人がやれば簡単に見えるよな作業。
何はともあれ確認でしょ。
肩も少し落としてみた。
一気に削らない。
多角的に見、確認する。
ゲージで、上面から肩、側面に掛けて当りを付ける。
削り過ぎ注意。
で、リプロのオリジナル? の座面を踏襲するつもりだったけど、 断面形状が山形過ぎて気に入らない。
尻が痛いってことだったので、本人に電話確認。
『面圧下げたいからもっと平面部分増やすぞ!』
『お任せしまーす!』 ってことで、もう少し平面を作る (肩を張り出す) ことにした。
not good を not good な方法で better になるよう best を尽くす。
微妙に士気が上がらない。(;´・ω・)
張り出した分距離が長くなるからレザー足りるか少し心配。
引いて張るしかあるまい。
今回レザーはやらない。
自分以外に被害が及ばないよう。
電話で 『大して良くならないよ!』 と伝えたら 『それでも元のより幾らかましになるでしょ?』 とか言う。
幾らかしかましにならない仕事なんてなー。
こんなでイイか?
ここで加工屋が良くやるのは、スポンジの継ぎ目を消す (レザーを張ったときに表に出さない) 為、ふわふわなスポンジ (10mm圧とか?) で覆ってしまう方法。
でも、それやると本来のスポンジのディテールがあやふやになるんだよね。
メリケン施すあやふや旧車レストアペイントでプレスラインみたいなアレ。
隠したい所が隠れつつそれ以外の所はなだらかーに。
比較的しっかりやる所は、薄く (5mm程度とか) ふわふわで無いスポンジ覆ってひと削り入れる。
ふわふわは引きずってしまって削れない。
まー、そのふわふわで無いのですら覆う為にまた糊付けする訳だから言わずもがな。
ふわふわで無いスポンジの入手先が意外と難しい。
ごろごろ転がっていない。
タンクに掛かる部分だけはリプロオリジナル形状を踏襲。
レザーを仮張りしたらちょっとだけ余りが出たので受け側を少し削って付け足した。
引き具合で調整しても良かったんだけどさ。
で、元のビニールは破棄したので手持ちの特殊フィルムを被せる。
シートベースの爪で引っ掛けると破れちゃうと思うでしょ?
特殊なんです。
裂け目が無ければ手で引っ張った程度では破けないよ。
収縮性も抜群。
薄い物でもキッチンラップより厚みあり。
スキン層削り落としちゃったんで、多少は張りが出る事を期待しつつ厚めの物を使います。
ちにみに、通常の製品にこの手のフィルムは挿入していません。
フィルムだけ頂戴! とか言ってもあげませんのであしからず。
みな忙しいから D・I・Y !!
って、オレんじゃないし。
破れそう。
モールのナットが数個紛失してたし錆びてるからと気を利かせてフランジナット (しかもセレ付き) 買って来たらインチでやんの。
むー。
モールに挟み込んである頭特殊ボルトをミリボルト加工してとか思うもレストアしてるわけじゃないしなと。
この位は本人に任せよう。
まー、もしくは時期レザー破れて三つ指揃えて懇願してくるだろうからそのとき考えてやろう。
それでもタンデムベルトの立て込みとラッチのナット部錆取って油塗ってボルトも交換しておいた。
元に対して115%位にはなったと思う。
とても不本意って感じ。
明日送るよ。