XSR900 シート高について

ファニーズ川口さんのところへ里帰りしていた純正シートが戻ってきたのでシート高を測ります。
数件のお問い合わせも来ていますのでね。
弊社製品のシート高は、純正シート基準で表記していますよ。

リアタイヤ接地した状態で車体の水平を出します。
タンクだったりシートレール基準で取りましょう。

レーザーで。
座面前から後ろまで全て水平だったら良いのですが、高い低いあるから一番低い位置を基準にします。
着座位置でやっていくと切りが無くなってしまいますからね。

純正シートで一番低いのはこの辺りです。

レーザーではなくレザーは浮いていますから押さえつつ上面の位置(高さ)を探ります。

次はシングルシート。



次にハイシート。


結果は以下の通り。
純正シート : 815mm
シングルシート : 820mm
ローシート : 820mm(予定)
ハイシート : 840mm

水平方向のレーザーが波打っているのが分かりますね。
一番座面中央近くまで伸びている辺りが一番低い位置です。

でも、ここは実際に着座する所ではないんです。
無理して前寄りにポジション取れば居られなくないのですが、かなり小柄な方でない限り、常時この位置に骨盤辺りがくる乗車姿勢はしないはずです。
ここに骨盤をもっていくと、股にタンクが触れるくらいの位置ですから。
疲れてポジション変更したいとかで前寄りにグーってすることはあるかも?
ただ、通常走行でここに着座することは稀でしょうね。
メーカーは、諸元表のシート高表記をある程度抑えたいという狙いがあって、どこか低いところを作るんです。
営業サイドからも『もっとシート下げてくれ!』なんて話が出るとか出ないとか。
シート高が800mm越えると、人(客)選ぶなんて話もあるらしい?
『800かぁ、高いからいい』と跨りもしない人もいると聞いたことがあります。
まー、メーカーとしても、シート高を何mm辺りでという開発要件は当然あるわけです。
コンペモデルならある程度乗り手が補えよと言えますが、市販ロードバイクですからね。
いや、オフロードも然りです。
ただ、シート高はあくまでも目安の数値です。
同じ数値でも車重やフレーム形状含む車体構成やシートの形状によって状況はがらりと変わります。
数値だけ追って行くと、XSR900純正シートが815mmとなっていて、シングルが820mmと『5mm高いじゃんか!』となります。
(これから作るローシートも同じ820mmになる予定)
ただ、座面後ろ上がり(前下がり)の純正シートですから、実際の着座位置で考えると820mmやそれより高い位置になるはずです。
実際の着座高だけで言えば、純正シートもシングル(ロー)も同じようなものなんです。

そして、内腿に当たる部分のシェイプによっても、足つきと言うか足のつく量が変わります。

見れば歴然。
数値上は5mm高いシングルシートですが、着座位置で考えるとほぼ同じ高さ。
そして、足を下ろす部分の幅を見るとシングルシートの方が細いので、結果、数値上では高くなるシングルシートの方が足つきが良いのです。
実際に試乗した方も足を下ろし易くなってると言います。
カブ系そら豆シートはハイが一番売れているのですが、モデルによりますが20~30mm高くなりますが、みなさん『高いのに良い!』と驚きます。
これ実は純正シートよりも足のつく量は減ってるんですよ。
以下、足つきに関しての考察。
足つきとは、足のつく量と足のつき方という2種類があります。
足のつく量が多くても足のつき方が悪ければ意味が無いと考え、闇雲に低くするのではなくシート形状を工夫し本来の足つきの良さを実現するようにしています。
概ねお客さまは、車体を支えるのに不安を感じシート高の話をされますが、足のつく量の話になりがちです。
車体を支えきれない倒してしまうんじゃないかという不安と同時に、足先に力が入れにくい、足を下ろしにくい事への不快感を覚えているというのもあると思います。
往々として、純正シートは、座面幅の広い部分が車体に対して高い位置にありがちです。
足の付け根に近いところに幅の広い物があると、内腿部分を圧迫され膝が外を向き蟹股に足を下ろす格好になります。
蟹股になってしまうと、外に開いて曲がってしまった膝から車体を支える力が逃げてしまいます。
咄嗟の際なるべく真っ直ぐ最短距離で足を下ろせるのが理想です。
膝が前を向いた状態で足をつけられれば、足がついた瞬間から足先に力を入れられます。
オートバイの車体は原付二種であって車重が100kg以上ある物体。
大きく傾けば小型車であっても支えるのは大変なんです。
極端な例ですが、車重200kgあっても300kgあっても車体が垂直に立っていれば片手でも支えらます。
一定の傾き以上になる前に足をつき、足先に確り力を入れられれば、車体の傾きを戻すことができるはずです。
『もし何かあって咄嗟に足を出せる、直ぐに傾きを元に戻せる。』
そんな自信があるのであれば、両足つま先であっても不安無く感じられるんです。
踵がつかないからと言うも人いますが、左右方向に車体を支える際に踵はほとんど使いません。
突然横から人に押されて踵で踏ん張る人はほぼいないでしょう。
つま先であっても確りと力が入れられるのであれば、安心して車体を支えられます。
・ 車体が必要以上に傾く前に足を素早く真っすぐ出せる。
・ 傾いた側の足先に素早く力が入れられる。
これ2点に尽きます。
シート高は、何かを考える際の良い目安になります。
それでもあくまで目安です。
一番は実際に跨り試す事。
まー、それができないときの為の数値でもあるんですが…。
卵が先か鶏が先かみたいになっちゃうですけどね。
停車時だけではなく乗車時の乗り心地のこともありますから、座面が細けりゃ良いってことではないので座面形状、座面幅は難しく奥が深いのです。
弊社のシートは、純正シートと同じシート高の数値であっても足つき良く乗り心地も向上します。
シートを試したお客さんで良くあるのが、自分の知る限りこれは厳しいかなって数値であっても『あれ? 全然大丈夫じゃん(足つき良い)!』てなること多いです。
身長や経験値などをお知らせいただければ、実体験(試乗したお客さんの様子など)に基づく数値ではない目安をお答えできます。
皆さん、比較的低い方で話をしてきますが、試乗すると高めのシートを選んでいきます。
シルエットなど見た目の好みで低い物ということであればそれはそれですが、ある程度の高さに乗車した方が車体操作し易く楽しいんですよ。
不慣れだとついつい足つきと言う話に終始しがちですが、足つきの良さとは、高い低い足のつく量のことではないと考えています。
いかに安心してバイクと接することができ、バイクをいかに楽しめるかです。
ご相談ください。