ホンダ CB1100 ホワイトハウス製 18リッタータンク! に合わせてシートを作る その6
スポンジが抜けたー・・・。
と思ったら、気泡が出来ちゃった。
ダメだこりゃ。
反対側にも。
これは、単に空気が残っただけじゃないんだな。
スポンジの原材料のウレタン樹脂は、発泡しながら型の中で充満していく。
ところが、何かの拍子で空気が滞留してしまったりすることがあるのです。
今回のは、シートベースの先に空間があって、樹脂がそこに進もうとするのだけど、シートベースが
魔で上手く流れ込めないうちにスポンジ (硬化) になってしまったのだろう。
樹脂は回り込めても空気の粒は跨げなかったのかな。
その空間を埋める詰め物 (型) を作るのも一つの手。
実際、そうやって対応している物もある。
でも、今回はもうひと工夫すれば物になりそう。
何でもそうなんだけど、こういう物事って、何か (型とか機械とか道具とか) があれば万事上手く行くってほど簡単じゃないんだね。
うちのスポンジ発泡に関してだって例外じゃない。
必ず人の考えとかが介在する。
型は、ある程度の機密性が無いとスポンジが一定の硬さにならないんだ。
型から樹脂がだだ漏れしちゃえば、吐出量に対しての硬さの目安が作れなくなっちゃう。
数値化できないって事もあるし、都度都度違う物が出来上がる。
硬さだけならまだ良いのだけど、ある程度樹脂から成型 (硬化) していく途中に樹脂 (半分スポンジになり掛け) が不用意に動いてしまうと、セル (粒) が潰れてプラスチックみたいに硬くなっちゃうんだ。
パチンと弾けると、パチパチパチッ! って連鎖が起きちゃう事もある。
そうすると、膨れ上がったスポンジが一気に萎んでしまうんだね。
かと言って、型の中が完全密閉だと空気の逃げ場が無くなっちゃう。
この場合、空気の逃げ場を作ってやるんだけど、空気の逃げ場 (方向) が上手くないと樹脂がそっちに引き連れられてっちゃう。
硬化 (スポンジになる) 前の樹脂の状態で、型の中を満遍なく満たさないといけないんだね。
この他、型温やら液 (樹脂) 温、配合比、室温湿度、吐出量やら吐出圧なんて考える事は山程ある。
でも、こんなのは作る側の事情だから、買う人は乗ってどうかや支払った対価で判断すれば良いんだけどね。
そんな感じで作ってると言う話です。
まー、ここはそういう話を出して 『どーだ!すげーだろ?』 とやるブログだから。(笑)
あと、シートベースが長過ぎた。
スポンジより高くなっちゃった。
場所だけに、レザーへの攻撃性を少なくする為にもスポンジが少し乗っかってて欲しいんだな。
次は、もうちょっとカットしよう。
さいならー。
しかし、見てよ。 この粒の細やかさ。
スポンジが発泡しながら型に押し当てられて成型すると、目ーパチパチさせてから見ないと良く見えない位表面が小さな粒になる。
見た目が人肌に近いことから、スキン層と呼ばれている。
だが、水を弾かなくなって久しい自分とではえらい違い。
こんなにきめ細かいのは、うちのチビ (もうすぐ5歳) クラスだね。
つーくらい細かいって事。
2発目ー。
今度は、シートベースをもう一回り (数ミリ) 小さくした。
この塩梅が難しい。
キャー。
惜しい!!
薄っすら空気が入ってた。
この程度の歪なんで、ワンオフならペーパー当てて使うんだけどねー。
でも、ある程度? 量産を視野に入れてるんで、もうちょっと詰めます。
3発目ー。
キャーー。
今度は、空気がここに残っちゃった。
CB1100オーナーなら分かるでしょう。
ちょうどプラスチックの工具箱の上ね。
この突起の面で箱の蓋してる感じになるのです。
しかし何で?
確かに、ここは凹になってて空気が残り易い形状なんだけど・・・。
今までここに空気が残ることなんか無かったんだけどなー。
条件が変わると色々出てくんなー。
流れが変わるんだろうな。
通常はこうなる。
シートベースと面イチ。
発砲しながら膨れ上がる樹脂にかなり圧縮されてたはずなんだけど。
でかい空気だな。
ちょうど着座位置の辺りがシートベースに接してないって事になっちゃう。
スポンジが宙に浮いてる?
これじゃ使えない。
皆さんは、簡単に一品一品!ワンオフ! ワンオフ!!言われます。
我々のような小さいメーカであっても、量産するにはそれなりの準備期間や資材を使って市販化します。
今回の無駄? 試作なんてチョロイもんです。
我々だって、個人で 『こんなの欲しいなー。』 なんてのがあったとしても、売ってたらそっちを買います。
だって、そっちの方が簡単だし安い。
それをベースにちょっと細工して使うとかね。
売ってない物を作るって高いんです。
今、XTの物チマチマ作っていますが、売ってるなら絶対にそっちを買う。
家族との時間をかなりトレードオフしてる。
いい加減半年やってるからね。(苦笑)
まー、そんな話は置いとこう。
樹脂は、行き易い方向へ動いてく。
目をつぶって、型の形状、シートベース、樹脂の流れと押し出される空気の事を良く考える。
4発目。
やっと入った。
前側もOK。
明日、タンクに合せてスポンジの細工だ。
まー、シートベースから先のいらないスポンジを切るだけなんで、現車に当てて確認って感じかな。
結局、今日は予定通りに運ばなかったなー。
まっ。
そういう日もあるさ。