東本 昌平氏に描いていただいた SR400

オートバイ5月号の別冊付録『RIDE』。

今回の題材はSR400。

いつものように東本昌平さんが短編を描き下ろしています。

これ基にしているのは弊社のSR400なんですよ。

シート写っていませんが。(;´・ω・)

がっ!

キャー!! >_<

SR400FIなのに、ちゃんと? 旧型リフレクター ですよ。

フォークブーツじゃなく、ダストカバー&サイドリフレクター

貸し出す直前、東本さんの好きなバイクのイメージに近いのかなと段付きシートにサイドリベットを付け、それを車両に装着してお渡ししたんです。

こうやって自分(開発車両ですが…)のバイクが描かれるなんてうれしいですね。

ありがとうございます。

短編内だけではなくRIDEの記事もSRばかりとなっています。

歴代のサンバーストカラーについての特集なんかあったりして。

SR乗りはオートバイ5月号を読む用と保管用に2冊買いましょう。(命令)

で、この段付きシートの話。

これを作った頃、ちょうどトラッカーブームみたいな流れでカフェは廃れて誰も見向きもしない時期だったんです。

その頃カフェと言えばシート含め英車のその流れを汲んだ姿がほとんどでした。

私は水平基調の英車がハンドリングも含め好きなんですけどね。

昔から『SRは何者にもなる(にでもなれる)』みたいな事を言われてて、じゃー、SRの個って一体何なの? SRらしさは? なんて強く考え始めていた時期でもありました。

SRは日本のオートバイなんですよ。

だから日本のバイクに合う日本独自のカフェを作りたいなって。

そんな時、このシートを作りました。

当社先代の中山がやっていた時代(’70)のカフェをもう少しスマートに。

いつの時代でも受け入れられるような普遍的な造形。

段付きシートというネーミングは、まー、キャッチーかなって。

ただ、70年代はオートバイ史上魔の年代でもあって、派生に暴走動力など憎くき悪しきイメージが付いて回るんですよ。

今時分どうなっているのかは分かりませんが、その頃の事が確実に尾を引いています。

だから、段付きシートという名前であっても上質に仕立てよう。

ライダーと合わさった時に気品も備わるようにしよう。

絶対に悪しきイメージになり得ないようにしなくてはいけない。

もちろん、弊社の売りである走らせた時の楽しさや喜びも兼ね備えていないとならない。

SRの一番の特徴でもあるティアドロップタンクがより美しく映える意匠にするべく頭をフル回転させました。

その頃は、純正タンクをそっくり挿げ替えてしまう事が殊更良しとされていましたから。

そんな思いの中で作ったシートです。

その想いは色褪せず今も鮮明に覚えていますが、もういつ作ったのかは忘れてしまいました。

1978年が初年度のSRは、2010年キャブレターからFIになりそこから最終5型へ。

その間、少しずつシートベースの形状を3回改修してはリリースしてきました。

今でもずっとオーダーは止まらず、多くの方々にご愛用していただいている定番のシートになったと感じています。
 

最近、この段付きシートを模した物を作っている所を偶然見つけました。

本来するべきは作るではなく創るです。

私達の目的は商品(シート)を作ることではなく、皆さんにオートバイで走ることをもっと楽しんでもらうためにシート製作という手段を用いその対価をいただくことです。

シートは手段であって目的ではありません。

見た目を追って作った物でもないです。

物作りに従事する者が何のために、何故それらを作るに至ったのか、物事の成り立ち含め商品を介して感じていただきたいと切に願います。

模倣品ではなく本物を手に取ってください。