大衆車としてのミニ

この記事は随分前から下書きしてあったのだけど、ミニをちょこちょこ見に行くと段々と自分なりに整理が付いて来た。

そして、実車もさることながら何となく知っていたヒストリーを改めて紐解いている。

ざっと知るなら wikiミニ が良いかな。

以前、ネコパブに「ワールド・カー・ガイド」て歴史本が世界主要メーカーそれぞれあったよね。

VWのを持っていたんだけど何処か行っちゃった。

それを読み、ドイツの車業界は主だったエンジニアが色んなメーカー行き来していた事が分かり面白かった。

ミニのラインナップもあったはずだから古本探して手に入れよう。
 

車やバイク、自分が所有するかもしれない物が、何故このような構造姿形になったのか。

成るべくしてそうなったのか、必然性などに興味が尽きないんだな。

その成り立ちに賛同が出来てこそ所有する意義があるとすら思っている。

自分が物作りに従事しているから余計にそう思うんだろう。
 

どうやら自分は生い立ちが実用車的な車が好きらしい。

作っている物も実用重視だしな。

プラス、アイコニックで少し可愛らしい容姿? で、少し角の落ちたなだらかなアールのついた造形なら直良い。

開発の初期段階から実用上の要件が色濃い車体構成。

使用しながら理に適っている物や設計に触れ関心できると嬉しいのだ。

ワーゲンのRRはトラクションの良さやファンドライブ的な要素もあるが、それはある意味副産物で、当時可能な限りの効率を求めた故の選択肢だった。(らしい)

ミニがFFを採用したのも、あのボディーサイズ(軽自動車よりもコンパクト)で大人4人を乗せ移動できることを求めた結果なんだろうことは詳しく知らずとも推測出来た。

エンジンミッションが二階建てのレイアウトも必然だ。

ラバーコーンと言うコイルスプリングの代わりにゴムの塊使うのも、スペース効率あってのことだろう。(コストもあったと思うけど)

あんな経たるゴムじゃなくてトーションバーにすれば良かったのにと思うワーゲン乗り。

あ、前は二階建築が鎮座しているから横棒通すスペース無かったか。
 

でね。

色々な年式のミニを見ると、90年代中頃からのモデルなのかな?

どうも媚びたようなイメージを抱いてしまったの。

日本市場が重要な輸出国だったようだから、ひょっとしたら日本人が好む仕様だったのかもしれない。

可愛らしさを強調するような座席レザーの構成パターンや、ダッシュパネルがウッドになったりしてね。

古い話なのかもだけど、ウッドパネルは高級車の証というイメージがあるんだよ。

バンデンプラは言わずもがなライレイやウーズレーには必然な?装備と思うのだけれど、大衆車のミニにはどーなの?って。

クーパーだけはウッドだった?

ヘッドレストに縫い込まれたパイピングなど装飾要素も自分には子供じみて感じてしまった。

ローバーがホンダと提携を結んでいたり、その後BMWに買い取られたりという背景も関係しているのかな。

イギリス発の二輪四輪メーカーって、ブランドの頭上大玉転がしみたいなことがよくあるのは気のせいか。

ブランド力強いが経済の弱い時期が長かったせいもあるんだろう。

英国の自動車業界の衰退は Wiki のこの辺り に詳しい。
 

そんなこんなで40年の間モデルチェンジをしなかったとしているミニ(モーリス、オースチン、ローバー)にも色々あることが分かったのは収穫だった。

当のヨメさんにこの話をしたら、( ´_ゝ`)フーン て感じで興味無さそうだったのは言うまでもない。

ヨメさんは一言だけ『屋根は白いのが良いなぁ♪』のみ。

そこなのかっ!
 

とにかく、大衆車然とした質実剛健な装備の車が良いね。

まー、VWも50年代末から始まり60年代以降は特に好調な北米市場に向け、豪華絢爛とまではいかないが、アクセサリー需要も意識していたしな。

ボディーカラーだってカルフォルニアなど西海岸を意識してか華やかになった。

そんなこと言いつつ 前に見に行ったこの水色 がかなり気に入って勢いで買いそうになった。

ATだったから踏み留まれたけど、MTなら買ってしまっていたと思う。

ちなみに、このボディーカラーは『サーフブルー』と言うらしいが英国っぽくないなと思うのは自分だけだろうか。
 

色々見て回って気が付いたのだけど、生産年の割りに全塗装されている個体が非常に多い。

あと、センターメーターや10インチホイル、マーク1やらマーク2仕様など内外装がヘリテイジ風に改造されている物も良く目にした。

グリル換えテールランプ換えローバーのエンブレム外して『Austin』にってのはもはや定番。

それを見て思い出しのは、VWビートルの『バケロク』。

もう今はそう呼ばれないのかもしれないけど…。

12Vになった ’67以降の立ったヘッドライトから、6Vだった ’66以前の寝たライトに換えたり、テールランプを小さい物にしたりする。
(前後のトランク&エンジンフードも交換)

6V仕様にすることから『化け6v』通称『バケロク』なんて呼ばれてた。
 

オーナーの好き好きなんで人様の車をどうこう言うつもりは毛頭無いよ。

ただ、自分はそういう車両をまず買わない。

アイロンテールでもビッグテールでも、そのモデルイヤーの特徴的な装備が確り残っている方が良いんだ。

今更、type1(ビートル)を買うことも無いだろうけど…。

このオーバル(改造車)のように、ごっそりやるのならシャーシとボディーさえ確りしていれば改造の有り無しはどうでも良いのだけどね。

ただ、そのまま乗るのならボディーは塗り直し無しの当時のままのが良いな。

所謂、オリジナルペイントってやつ。

この、type-2も1967年のオリペン。

遠目にはキレイ見えるけど、やっぱり錆は出てる。

でも、それで良い。

FLHもオリジナル。

塗装が擦れていたって剥げていたって決定的に腐ってなければ良いし、それはその車の辿って来た歴史だからそのままにしたいとさえ思う。

このXT500や883のように丸っと改造しちゃうこともあるが、XTは丸車じゃなくて部品だったし、883は改造車の転倒車でフレーム曲がってたからもうベース車だった。

でも、こっちの883は入手したときオリジナルだったしそれを保ちたい。

改造するなら改造車(で可)、そのまま乗るならオリジナル。

そんなのがあるので、ミニもそのまま乗りたいので塗り直してあるのは綺麗で可愛いけどペケ。

10インチのセンターメーターも可愛いけどヘリテイジ改造車もペケ。

古いのが良ければ最初から古いのを買う。

ただ、今回は『ROVER MINI』で探してるから古いのもペケ。

ROVER製も既にクラシックミニて呼ばれているけどね。(;´・ω・)
 

ひょっとしたら改造しないなんて気も変わってしまうかもしれないけれど、それでも買うなら可能な限り新車出荷当時のオリジナルに近い個体にしようと考えてる。

塗装が擦れていたって錆が出ていたってそれも味。

決定的なボディーの腐り無ければ良いさ。

さて、そんな車両があるのかな?
 

* あくまで自分が求める車両の話で、改造しているミニやワーゲンを蔑む気など毛頭ありませんので悪しからず。